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【小説】家族輪舞曲/椎名桜子 今何やってるの?【概要と感想】

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1988年3月、マガジンハウスから出版された、作家・椎名桜子の小説『家族輪舞曲』

最近、機会があり読みました。

 

 


椎名桜子は、ある日突然、小説家として颯爽とデビューし、テレビCMやバラエティ番組に出演。

肩書きは作家ですが、モデルだったこともあり、何方かといえば芸能人的な立ち位置で一躍時の人になりました。

けれど、どういう経緯か「あっ」という間に姿が見えなくなり久しい人でもあります。

この『家族輪舞曲』は、小説家・椎名桜子のデビュー作で、映画化もされています。

本作品の概要と率直な感想、また椎名桜子は最近どうしているのかを調べました。

 

 
 
 
 
 
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【小説】家族輪舞曲/椎名桜子 今何やってるの?【概要と感想】

 

 

 

椎名桜子のプロフィール

 

椎名桜子のプロフィールです。

<プロフィール>
氏名:椎名桜子(しいなさくらこ)
生年月日:1966年2月22日
学歴:成城大学中退
芸能界入りしたきっかけ:作家になる以前からモデルとして活動、大学在学中は映画監督を務めたこともある
配偶者:一般男性、2児あり
家族:椎名桂子(双子の妹)
活動時期:1988年〜1997年(作家活動)

 

 

本書の背景


『家族輪舞曲(ロンド)』は、1988年というバブルの真っ盛りに発売された小説です。

当時、版元のマガジンハウスは単行本の出版を手がけていなかったので、椎名桜子を強力に売り出しました。

やがて、街中に「名前・椎名桜子 職業・作家  ただ今処女作執筆中」という謎のコピー広告が貼り出されました。


そんな昭和の浮わついた時代に『an・an』から出版されているので、文芸として扱ってよいか微妙な気もします。ただこれまで一度も本を出していないのに、突如、作家として本を出してもらえるのは、書く側としてはチャンスには違いありません。けれどその後は自己責任といった無責任さも感じてしまいます…。

実際、どの程度本書が売れたのかは不明です。しかし本作品は映画化もされ、椎名桜子自身が映画監督を務めているので、多才ぶりを発揮できたというところでしょうか。

 

小説の概要について


ここでは『家族輪舞曲』の内容を簡単に解説します。

主人公は17歳の高校生・翠子。他人の顔と名前を覚えるのが苦手で、少し気だるい雰囲気の漂う少女です。

翠子の両親は離婚。父には絶えず女性の影があり、母は自分の世界に入り込んでいる。翠子と妹の雛子は、時期によって父の家で暮らしたり、母の家で暮らしたりと不自由な日常を送っている。

けれど、妹の雛子は、翠子と違い、両親の前でその時々求められる自分を演じる要領のがよさがある。

父の愛人はコロコロ変わっていくけれど、交際の長い女性との間に子供が産まれていた。

まだ未成年の緑子は、家族の感情に振り回されることでしか生きられず、けれど自分の居場所がどこにもないことに気づき、自分を自由にさせたいと思うようになっていく。

 

率直な感想


『家族輪舞曲』というタイトルから、家族それぞれの気持ちを描く群像劇のような内容を想像していました。

もうちょい具体的にいえば、同時期に台頭を表した、吉本ばなな、角田光代らが描くような雰囲気(両氏とも違いますけど)と勝手にイメージしていたのですが全く違う作風でした。

物語は一人称で主人公の少女の思考で進んでいき、夢見がちで漠然としています。サガンのようなデカダンスな雰囲気と言えばわかりやすいでしょうか。どこか日本離れしている印象も受けました。

 

 


また少女の家庭環境は裕福ですが、両親は心が離れてしまい、子供は愛されている実感が持てずにいる。そのため不安定な精神状態になっている少女の思考が、現在と過去を頻繁に行き来するところで感じることができました。

あと文章に癖があり好き嫌いが分かれそうですね。具体的に挙げると、台詞を括弧で囲まず地の文に馴染ませているため、正直かなり読みにくいです。

またページの各所に、カラー刷りの写真が差込まれてる演出があります。写真自体はセンスがよく好きでした。

この写真も椎名桜子が撮影したのかと思えば、前付けに『Photo 近藤慧』という写真家の名前が入っていました。気になって調べましたが、わかりませんでした。30年前だから仕方ないのかも。

 

椎名桜子の今

 

 
 
 
 
 
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この方は最近一体何をしているのだろうと思い、調べてみました。

1990年台後半には作家としての活動を休止(停止)し、その後は水中カメラマンとして活動していたそうです。

2001年には、オフィシャル・タブーを設立。社長は椎名桜子自身で、CG制作なども手がける編集プロダクションでしたが、実質は椎名桜子の個人事務所でした。

プライベートの椎名桜子は、一般男性と結婚し2人の子供に恵まれています。しかしその後、雑誌『噂の真相』に子供のことを記事にされ、プライバシー侵害とゴーストライター疑惑についての名誉毀損で訴訟を起こし、地裁は賠償金の支払いを命じました。

その後は小田急線の成城学園前の駅ビル、成城コルティ内に出店する雑貨店『HANSEL&GRETEL』のプロデュースも担当していました。そちらは2008年に退任しています。

www.odakyu-sc.com


また、会社であるオフィシャル・タブーは、椎名桜子自身がヒットに恵まれず業績不振に陥り、2018年に破産決定を受けています。


この成城コルティの店舗には何度か足を運んだことがあり、開業当時は椎名桜子がプロデュースしたという触れ込みを耳にしました。ですが随分前に契約は終了していたんですね。

あと椎名桜子には、椎名桂子という双子の妹がいました。職業はジャーナリストと書かれていますが、ネット上では情報を得ることができませんでした。